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【哲学カフェ】#07「合唱曲『推しが尊い』を読み解こう」振り返り

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2018/06/14

7回バニラカフェ

 合唱曲「推しが尊い」を読み解こう

 

開催の主旨

 いまや世間一般に広く浸透した「推し」という言葉は、ざっくりと「my favorite」という意味で使われていますが、その発祥であり総本山であるオタク文化においては、推しに対してさらに深みとコクを持った感情が伴っているようです。

 以前ツイッターで話題となった、合唱曲「推しが尊い」(どうやら音楽家 でオタクのユーザーが自主的に作曲し投稿したものらしい)では、オタクの「推し」に対する想い、更にはその生活観が唄われています。

 「推し」とは一体なんなのかを理解するために、「推しが尊い」の歌詞について話し合おうという会でした。

 

大まかな対話内容

 ドルオタの方が一人参加してくださり、その人がシーンにおける推しの感覚を最も有しているだろうということで、参加者で歌詞の気になった部分を指摘しあい、それをその方から解説して頂き、更に参加者たちで考察を深めるといった対話になりました。それぞれの推しに対する気持ちと具体的な実践の差異を確認するところに今回の面白みがありました。

 

ハイライト

 推しとは、自分が支持、愛好、崇拝する対象を指す言葉ですが、その推しを讃える文句として、スラング的に「尊い」「マジ無理」「しんどい」「最高かよ」のような言葉が用いられます。

それって具体的にどんな感情なんだいという話題になりました。推しへの溢れる想いを上手く言い当てることができないことを、「語彙が貧弱すぎてしんどい」と当事者たちは自虐的にツッコんだりもしていますが、きっととても感覚的なものなのであって、恋人への日頃の感謝や一緒にいたいという想いは言葉に出来ても、なぜ好きなのかどこが好きなのかは上手く言葉にできない、好きだから好き、そんな感じなのではないかという意見が一つ挙げられました。

また、歌詞からも読み取れるように、理不尽な毎日でも来週には推しに会えるから頑張れる、疲れた夜に推しの声を聞いて明日のエネルギーを充填する等、推しに求めるものが「癒し」や「元気」なのであれば、推しに対する想いとは温泉に浸かった時に思わず唸り声が漏れてしまうようなそんな心情なのではないかとも。