【哲学カフェ】#06「6月の魅力」振り返り
2018/05/26
第6回バニラカフェ
「6月の魅力」
⒈開催の主旨
梅雨や祝日が無い等の理由から疎まれがちな6月。そんな6月ならではの魅力を発掘する。また話題が広がっていく過程で、参加者がその他にも新たな気付きを獲得する。
⒉実際の対話のおおまかな様相
冒頭にブレインストーミングを実施し、6月に対する印象や連想されるイメージを自由に出し合いました。
そこで挙げられたキーワードは、雨(梅雨)に関連するものが多く、更にその大半は、ネガティブな印象を伴ったものでした。
「雨の日は不便で不快だということは認めざるを得ない。6月は雨季であり雨の日が多く、よって6月は疎まれる」で参加者の意見は先ず一致しました。
通学時に自転車に乗れず、通常よりも早く家を出なければいけない。その際に傘を差さなければならず、片手が塞がれてしまうので、荷物を上手に持つことが出来ない。そして、学校に到着した時にはズボンの裾や肩口が濡れ靴下は浸水し、湿った肌に張り付くような不快感を抱えたまま講義を聴くことに。湿気から髪型や化粧も乱れてしまっている。楽しみにしていたスポーツも雨天中止に。帰宅すると、部屋干しの臭いが充満。
このように実生活における実益を評価基準に雨の日を記述すると、いかに不利益を被りまた肌感覚レベルでも不快感を感じるか納得できました。利便性や快適性、生産性を意識して活動をする際には、雨天はそれらを低下させる要因になり得ており、故に私たちは雨を邪険に扱うことになります。
しかし一方で、雨粒を弾く紫陽花や降り出した瞬間の雨の匂いに心が反応したり、土砂降りに気分が高揚することも事実として確かにあります。
一見すると相反するような上記の二つの事実をどう整理し解釈するかが、対話の中心に据えられていた気がします。
ある参加者が「雨を感じる人もいれば、濡れるだけの人もいる」という発言をされましたが、同じ雨でも実益から遠い観点から捉えると、評価がまた違ったものになり、それが一つの魅力たり得るのではないかという話になりました。対話中では、情緒や詩というキーワードが出ました。
⒊その他印象に残っている話題の断片
・飲食店には雨の日割などのサービスがあるので実利的な良さもある
・雨に唄えばを聴きながらだと気持ちが良い。世界を劇場化する。
・大雨で小学校が早退きになって楽しかった思い出がある。子供の頃は大雨、大雪の非日常感に興奮した。
・衣替えに象徴されるように、6月には、夏の前触れを感じ待ち遠しく心踊る気持ちがあった。
・雨に打たれると子供の頃を思い出す。現在では郷愁のトリガーに。
・雨の日のドライブが好き
・映画にて恋人同士が抱き合うシーン、雨が降っていないといけない時もある。表現としての雨。
・例えば12月に梅雨があった場合、クリスマスや年末を今までのように楽しめるのか。時期的に6月に梅雨があって良かった。梅雨を良いタイミングで消費できるのが6月の魅力。